廃止された「伊勢路フリーきっぷ」で巡る、真夏の伊勢旅記録(2017)

旅のかけら
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日本三大競技花火大会のひとつとも言われる「伊勢神宮奉納全国花火大会」。 その大会に行ける目処が立ち、宿探しを始めたのが5月半ばのことでした。

伊勢市内のビジネスホテルはいくつか空いていたものの、古い建物や狭めの部屋が多く、どうにも気乗りしません。 カミさんと相談し、「せっかく行くなら観光も楽しみたいよね」ということで、伊勢市から少し離れた二見浦の宿を選びました。

今はもう買えない「伊勢路フリーきっぷ」との出会い

移動手段をどうするか調べていたところ、JRの「伊勢路フリーきっぷ」を発見。 名古屋市内発・2人用で 9,630円。 しかも 6,000円分のタクシー乗車券付きという破格の内容でした。

  • 電車の往復が実質 3,630円
  • タクシー券はおみやげ店でも使える金券
  • コスパ最強のきっぷ
  • ※現在は廃止済み

普段なら車で伊勢まで行くところですが、 高速料金片道分とほぼ同じ値段で往復できるなら、これは使わない手はありません。

7月、近所のJTBで「伊勢路フリーきっぷ」と「快速みえ」の指定席券を購入。 連休初日ということもあり、最後の横並び席をなんとか確保できました。

快速みえで伊勢へ。揺れと排気ガスと、真夏の旅の始まり

訪れた7月15日。家を出た瞬間から汗が噴き出すほどの好天。 名古屋駅に着いたのは11時半過ぎで、コンコースは大きな荷物を持った人で溢れ返り、きっぷ売場には長い列。 「ああ、連休初日だなぁ」と実感しました。

腹ごしらえを済ませ、12:37発の快速みえ9号に乗車。 横並びの指定席ではあるものの、最後に取れた席は車両端の固定シートで、他のお客さんと対面、しかも進行方向と逆向き。 これはもう“ボックスシート”と呼んだほうが正しいでしょう(笑)

走り出すとディーゼル機関が唸り、風切り音は半端なく、車体はよく揺れます。 時おり排気ガスの匂いも感じるほど。 津あたりまでなら我慢できるけれど、鳥羽までこれで行くのはなかなかの試練。 「だから近鉄特急が人気なのか」と悟りました(笑)

車内アナウンスでは「指定席は完売」とのこと。 立ち客や大きなキャリーケースを持った人も多く、混雑の中を予定通り14:05に伊勢市駅へ到着しました。

外宮参拝と「みちくさきっぷ」、そして二見浦へ

まずは伊勢神宮・外宮を参拝し、バス停へ。 観光案内所で「伊勢鳥羽みちくさきっぷ」を購入しました。

  • 2日間・大人1,600円
  • CANばす+設定区間の路線バスが乗り放題
  • 観光施設の割引特典付き

「伊勢路フリーきっぷ」があるので本来は不要ですが、 真夏の徒歩移動を減らしたくて購入。

「二見浦表参道」で下車し、宿にチェックイン。 花火鑑賞の準備を整え、再びCANばすで外宮へとんぼ返りします。

花火会場へ。支援者席で味わう競技花火の緊張感

伊勢市駅前のシャトルバス乗り場は長蛇の列。 ただ、待機しているバスが2台あり、思ったほど待たずに乗れそうでした。

とはいえ、旅先の地元スーパーに立ち寄るのも楽しみのひとつ。 途中にある「ぎゅーとら」で夕食や飲み物を調達する作戦で、18時過ぎに徒歩移動開始。

伊勢市駅から歩くとほどなく「月夜見宮」さんの前に出ました。向こうから歩いてこられたご婦人が鳥居の前で深々と一礼して通り過ぎていく・・・これは神都ならではの光景だと深く印象に残りました。

観覧席入口に着いたのはほぼ19時。 支援者席まで3か所のチケットチェックを通過し、19時20分頃に着席。

支援者席はとてもリラックスできる良い席で、 全国の花火師さん入魂の良玉が次々と打ち上がり、 いつもなら途中でダレて長く感じる2時間が、あっという間に過ぎていきました。

帰り道で出会った、夕涼みのおじいちゃん

花火大会が終わり、宿へ戻るため伊勢市駅を目指して歩きます。 シャトルバスの混雑を避けた判断は正解でした。

駅に着いたものの、タクシー乗り場に来るのは 「伊勢路フリーきっぷ」の引換券が使えない会社ばかり。

困って待っていると、夕涼みをしていたおじいちゃんが声を掛けてくれました。 元ドライバーさんなのか、タクシー事情に詳しく、引換券のこともご存じ。

しばらくするとタクシーの台数が増え、 おじいちゃんが顔見知りらしきドライバーさんと話し、 「これ乗って行って〜」と手配してくれました。

本当に助かりました。 伊勢市駅から宿まで約3,600円のタクシー代でしたが、 もちろん「伊勢路フリーきっぷ」で支払い完了。

翌日は内宮参拝と、旅の締めにふさわしい“絶品ランチ”

翌朝は7時に朝食、しっかと和定食をいただきまして、それから名所の夫婦岩まで軽くお散歩、けど既に暑さを感じますが、前回訪れたときは曇天だったので、念願の風景が拝めました。

宿を出てから伊勢神宮・内宮を参拝し、 おかげ横丁で残った2,000円分のタクシー乗車券を使ってお土産と手ぬぐいを購入。

帰りの快速みえまで時間があるので早めにランチを取ることにしましたが、 門前通りのお店はどこも満席。 ふと思い出した駅前の居酒屋へ行くと、すんなり入れました。

カミさんの「マグロ漬け丼」は信じられないほど安くて濃厚な味。 自分の「カツオたたき丼」も脂の乗りが別格で、 いままで食べたことのないほどのおいしさでした。

下調べなしでふらっと入った店が大正解だったときの嬉しさは、 旅の醍醐味そのものです。

おわりに

今はもう買えない「伊勢路フリーきっぷ」。 そのきっぷで巡った2017年の伊勢旅は、 花火大会の迫力だけでなく、 人との出会いや偶然の美味しいランチなど、 思い出深い時間になりました。

当時の記録として残しておきたくて、今回記事にまとめました。 真夏の伊勢の空気を、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。